こんにちは!
株式会社Story’s 代表取締役の佐藤です!
前回はYouTube動画「ITエンジニアが必ず知っておくべき「2025年の崖」の概要について解説!」の補足として、「【ITフリーランス必見】2025年の崖で受ける影響3選」について紹介しました。
今回は、「【2025年の崖とSAP】SAPコンサルが語る業界&エンジニアのこれからの話」の動画の補足として、2025年の崖のきっかけであるSAPの基幹システム切り替え後もSAPコンサルタントの需要が増え続けていく理由について3つ紹介します。
SAP SE 、SAP、ERPとは?
まずSAPを使用している大元の会社はSAP SEです。
SAP SEとは「システム分析とプログラム開発」を意味するドイツ語Systemanalyse und Programmentwicklungから採った社名です。1972年にIBMドイツ法人を退社した5人のエンジニアによって創業されました。
SAP SEの100%子会社の日本法人として、1992年に設立したSAPジャパン株式会社があります。
SAP SEやSAPジャパン株式会社(以下「SAP社」とします)では、企業向け基盤システムであるERP (Enterprise Resource Planning)パッケージを中心にサービスを提供しています。
ERPとは財務会計、在庫管理、売上管理などの基幹となる業務システムを統合して管理し、業務効率化による生産性向上を目的とする統合基幹業務システムのことです。
具体的なSAP ERPの基本モジュールは次の5つです。
- 財務会計 (FI=Financial Accounting)
- 管理会計 (CO=Controlling)
- 販売管理 (SD=Sales and Distribution)
- 購買管理/在庫管理 (MM=Material Management)
- 生産計画/管理 (PP=Production Planning and Control)
SAP社のERPは企業の経営資源を有効活用して経営関係を効率化することを目的としています。
そのために基幹業務を部門ごとではなく、全社で総合管理できるソフトウェアパッケージを提供しています。
SAP社はMicrosoftやOracleと並んで世界で高いシェアを誇ります。
日本でも大企業を中心に2,000社以上のSAP導入企業があると言われています。
日本法人設立後から日本の顧客が増えていったので、日本においてもERPのフロンティアかつリーダーとなり、SAP社に続いて海外製品だけでなく国産のERP製品も多く登場し現在に至ります。
日本の企業においてパブリッククラウドや機械学習などの新規技術にも対応しているSAPを導入することで、グループ全体の管理システムを刷新することが狙いです。
こうした大規模な経営改善や効率化を図る場合に、SAP社が選ばれるケースが多いようです。
SAPでは近年バックエンド業務用のERPだけではなく、フロントエンド業務用のCRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理の略で、従業員がお客様に満足できるサービスを提供することです)製品にも力を入れています。
また、2018年に過去買収したHybrisブランドを「SAP C/4 HANA」に変更しました。「SAP C/4 HANA」はレガシーのCRMソリューションを近代化したため、次世代CRMと言われます。
SAPコンサルタントとは?
SAPコンサルタントのメインとなる業務が、SAPの新規導入支援です。
会計や人事を始め、在庫管理や販売管理などの幅広く企業の経営システムに関わるSAPの場合は、コンサルティングを行なう範囲も単なるITシステム開発ではなく企業の経営全般に関わります。
①システム導入前に行なうこと
まず企業の経営状況を把握した上で、現状の課題を把握します。
ITシステム導入と併せて業務改善や経営改善に関する提案を行います。最近では働き方改革の一環として、業務効率化を目指すケースも増えています。
SAPの新規導入セミナーも行なわれており、SAPコンサルタントもセミナーを活用して新たな知見を身につけています。
②システム導入に行なうこと
プロジェクトマネージャーとして、開発から導入までを統括して管理します。
お客様との質問が多くなる部分となりますので、レスポンスの速さが重要になると考えます。
③システム導入後に行うこと
SAP導入企業が増える中、導入支援だけではなく導入後のSAPバージョンアップ対応や追加システム開発、他ITシステムとの連携といった領域でコンサルティングを依頼されるケースもあります。
お客様との長期的な関わりになります。
今注目されているのがAI技術の進歩です。
社内のさまざまな情報をデジタル化して活用できるのがSAP含むERPの強みですが、AIの機械学習機能を使うことでさらに効率化できるアプリケーションも提供しています。
こうしたアプリケーションをプロジェクトに組み込むケースも今後増加すると言えそうです。
SAPコンサルタントの需要増加の理由
①SAP社の世界・国内市場シェア
SAPコンサルタントの将来性を考える上で、まず気になるのがSAP社のシェアとなります。
現在ERPソフトの世界市場シェアにおいてSAP社は1位です。
MicrosoftやOracleを抑えトップの座についています。
日本市場シェアにおいては、国内シェア1位(27.1%)大塚商会の「SMILEシリーズ」、国内シェア2位(24.3%)富士通の「GLOVIA smart / SUMMIT / GLOVIA ENTERPRISE」、次いで国内シェア3位(21.9%)にSAPジャパン株式会社「SAP ERP/SAP Business All-in-one」となっています。
また、大企業の新規導入がある程度進んだ現在、SAPが中小企業を新たなマーケットとして見ていることがわかります。
中小企業への展開は、ERPのクラウド化も影響していると言えそうです。
従来ERPパッケージ導入は高額な初期投資がかかるという特徴がありました。
一方クラウド化に伴ってERPの初期投資が抑えられるようになったため、中小企業でも導入しやすい状況になりつつあります。
②SAP S/4HANAへの移行
さらに、「SAP2027年問題」への対処法として、もっとも一般的かつSAP社が推奨しているのがSAP S/4HANAへの移行です。
代表的な移行方法としては「コンバージョン方式」と「リビルド方式」の2つが挙げられます。
「コンバージョン方式」はSAP ERPのアドオンプログラムやカスタマイズ設定を活用し、現在のデータをそのままSAP S/4HANAへ移行する方法です。
「リビルド方式」はゼロからシステム要件を定義し、SAP S/4HANAの環境を新たに構築する方法です。
2027年のサポート終了に伴うSAP S/4 HANAへの移行、求められる専門性の高さやスキルの高さが必要なことによる慢性的な人材不足により、SAPコンサルタントに対する需要は今後も高い水準を維持し続けることが予測できます。
以上により、2025年の崖からSAPコンサルタントの需要は増え続けると考えられます。
SAPコンサルタントは「経営課題を解決したい」「IT技術の知見を有しておきたい」「高年収を目指したい」という方にオススメです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
本記事ではSAPやSAPコンサルタントの概要について触れながら、SAPコンサルタントの需要増加の理由について解説しました。
2027年に向けてSAPコンサルタントの需要は増え続けると予想されます。
SAPに興味のある現役エンジニアの方は思い切ってキャリアチェンジするのもアリかもしれませんね。
株式会社Story’sでは、先見性を見て新しいことにチャレンジすることを応援しています。
このブログをきっかけに、SAPコンサルタントを目指したい方やまずはITフリーランスとして経験を積んでいきたい方がいらっしゃいましたら、お気軽にコンタクトフォームよりお問い合わせください。
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