佐藤:本日のゲストは伊藤さんです。伊藤さんよろしくお願いいたします。
伊藤さんはERP業界、SAP業界で10年戦士ということで。SAP歴は新卒からずっとですか?
伊藤:新卒から一貫して、SAPと呼ばれているERPの導入コンサルタントとしてキャリアを積んできました。
佐藤:ありがとうございます。
2025年の崖というのはまさに今情報が入ってきていると思いますし、ドンピシャなテーマですよね。
伊藤:そうですね。今我々の業界で一番大きな課題・トピックとして取り上げられています。
特にこの問題に起因して、若手の待機エンジニアが活躍できる場がこれから増えてくるかなというふうに思ってますので、みなさんにご紹介できればなと思っております。
2025年の崖とは?
佐藤:早速なんですけど、2025年の崖って多分初見の方が多いと思うんです。簡単にどういうものか教えてもらっていいですか?
伊藤:はい。課題の名前ですね。経産省が提示している課題の名前になります。
どういうものかというと、SAPというERPシステムですよね。
いわゆる日本語で言う基幹システムでバックオフィス、例えば人事だったりとか財務会計、調達だったり製造のような企業の基幹になるシステムをグローバルに展開している会社がSAPと言うのですが、、、、
こちらのシステムが2025年で多くの企業で使われているバージョン、ソフトウェアの保守のサポートを切りますということを言っています。
実は、元々2025年と言われていたのが、2年先送りになって2027年になっているんですけども
どの会社もそのサポート期限が切れるまでに基幹システムを一斉に切り替えないといけないという状況になっています。
今言ったように大きい会社であればどの企業も使っているようなシステムで期限が決まっていてどの会社もそれまでに新しいバージョンに刷新をしていかないといけないので、
それに伴ってSAPのコンサルタントの人材需要がすごく増えているので供給が追いついていないという状況になっています。
2025年の崖への対応、期限と国が重要視していること
佐藤:SAPのバージョンアップをしなかったというところで、私が感じたのはオフィス製品がサポート切れた時と同じような状況が起きるということですか?
伊藤:イメージはそうですね。
そのまま使い続けることはもちろんできるんですけども、
何か問題・障害が起きたときにSAP社としては、その製品を保証しないというような状況になってしまいますので動脈が止まってしまうというようなことが起こってしまうというところを経産省は社会的な課題として捉えています。
佐藤:最近だとそれこそテックキャンプだったり、DMMさんとかも経産省からバックアップありながら広告出されているなというのがあるんですけども、国としてもすごく重要視しているということですよね。
伊藤:そうですね。
今言ったように日本だけ使っている製品ではなくて、グローバルに使われている製品なのである意味どの国でも大企業は同じ課題に直面していると言えるんですけども
特に日本企業については、現行使っているシステムというのが欧米企業のシステムに比べて、アドオンと呼ばれている、いわゆる「標準機能から合わないところ」というのを自分たちで作り込みをして使っているという現状があります。
それを新しいシステムに切り替えるときにアドオン部分が足枷になっていて、特に欧米企業に比べて日本企業は新しいシステムの刷新に苦労しているという現状があります。
なぜ日本だけ?海外との決定的な違いとは?
佐藤:なぜそう言った2025年の崖というのが起きているのか?
日本だけで起きているんですよね?
伊藤:そうですね、ここまで大きい課題として起きているのはおそらく日本だけだと思いますね。
佐藤:それは日本のIT業界に何か問題があったということなんですかね?
伊藤:やはり日本の社会的な文化だったりとか、組織の体制というところが大きく起因しているのかなと思います。
社会的な背景というのは、日本って恥の文化だと思うんですね。
誰か偉い人がこうするべき、ああするべきと言ったら必ずそうしないといけない。
ある現場の問題が大きく膨らまされてアドオンに反映されているというのがあると思います。
欧米だとトップダウンに現場が少し使いづらくてもお金をかけずにこのままやりなさいというのが通ることがあると思うんですけども、
日本というのは良くも悪くも現場の声を聞くという文化があるので、現場の使い勝手というのを意識して現行のシステムが使われているというのはあります。
もう一つは、組織的な文化というところでITと業務側のユーザーの組織が縦割りになっていて、お互いが一体になってプロジェクトを進めていく力が少し弱いのかなと思います。
佐藤:ありがとうございます。すごいわかりやすかったです。
今回は、「2025年の崖」の簡単な概要だったんですけど、次回はSAPについてご説明いただければと思います。
1 件のレスポンスがあります
[…] 佐藤:なるほど、よく言う「2025年の崖」とかですね。(※2025年の崖についてはこちらの記事でも触れていますので、よろしければご覧ください!) […]