佐藤:実際にITフリーランスとしてスキルアップしていく・キャリアを形成していくところで大事になること、今求められている人材はどういう人なのかというところを教えてもらえたらなと思います。
及川:もちろんスキルがあることは大前提にはなるんですけれど、今のままの現状で満足しているわけではなくしっかりとスキルを上げていくっていうマインドがある方がより需要性は高くなっている印象は受けます。
佐藤:確かに結構私も相談を受けることが多いんですよ。
フリーランスになりたいと。
でも会社員時代にSEとしての経験というのもキャリアとしては大きな分かれ道だと思うんですよ。
及川:そうですね、はい。
佐藤:例えばなんですけど、会社員でSE、3〜5年、しかも開発をやっていたというエンジニアさんがフリーランスになる時だと、この先のキャリアとして一つの指標としては単価もありますし、どういったキャリアのステップアップをしていくと良いか、そういうところも教えてもらえたらなと思います。
及川:はい、先ほどもお話した成長志向がある人がいいという話にもつながる部分もあるんですけど、やはり開発経験3〜5年ってまだまだこれからという部分も多いと思っていて、金額感だと45〜60万くらいのイメージ。
5年生くらいだとそこそこ設計もできてくるので、50〜70万くらいのイメージをもっていただければいいのかなというところです。
ただフリーランスになると、この今ある案件、業務をお任せしたい、という状況になるので自分でキャッチアップをしていかないとスキルアップもできないんですね。
市場価値が上がっていかないこともあるので、そこはフリーランスでやっていくべきなのか、社員としてやっていくべきなのか、いろいろ働き方を考えながらやっていくのがベストだと思います。
佐藤:今のお話で開発経験、ITのシステム開発で上流から下流までといった時、大きく要件定義、基本設計、詳細設計、そこから開発でテスト、運用保守って分かれるじゃないですか。
開発だったりテストだけをやっていたとなると、その先の単価感は上流の方が良いということなんですよね。
及川:もちろんそうですね。
佐藤:それってやっぱり理由があるんですか。
及川:やはり下流になっていくにつれてテストだったり運用保守になっていき、どちらかというと業務範囲も狭いというのと、手順書ありきな部分が多少なりともあると思うんですよ。
そうなると「金額もお安くお願いしたい」というのが、お客様、クライアント様の要望ではあります。
ですが、ただ金額がずっと安いというわけではなく、例えば「運用設計できますよ」とか「テスト設計できますよ」という人に関しては、金額もどんどん上がってくると思います。
佐藤:先程話されていた設計になったら70万くらいというところですが、設計ができるということは自立して主体的に仕様だったりお客様とのやりとりもできて一つのベースになる設計書や手順書の全てが自分でちゃんとできるから「あなたは価値がある」ということなんですかね。
及川:そうですね。お客様としてはお仕事をお任せしたくなるじゃないですか。
なので実装を自分一人で何も指示を出さなくてもやってくれる方が、やはり価値が高いんですよ。
なので、マインドが結構大事っていうところがあるんですね。
佐藤:開発経験3年の方から結構相談を受けることが多いんですけど、すごい微妙なラインじゃないですか。
会社員の頃の私もありましたけど、3年目の時だと主体的にってあまりないと思うんですよ、正直。
及川:はい、そうですね。やはり自分でスキルアップ・ステップアップするためにはどうしたらいいのかをしっかり考えないと、それを3年続けても経験値としては長いけれど、スキルとしては上がっていないんですよ。
なのでどうキャリアを形成していくかを考えないといけないところですね。
佐藤:これまでは開発経験がある方の話でしたが、問い合わせや相談を受けるのは経験の無い方も結構いるんです。
その時はどういうキャリアを目指した方がいいでしょうか。
及川:本人が今までの社会人経験として何をやってきたか、プラス、今後どうしていきたいかでキャリアも変わってくるかと思います。
仮に開発をやりたいって形であればしっかりと正社員として働きながらキャリアを積んで、今後フリーランスになるでもいいですし、例えば、今事務だったりPMOのようなプロジェクトの推進役としてはそんなにIT業界の経験も少なくても大丈夫という業務もあったりするので、そういった方はフリーランスにすぐになれるっていう可能性は少なからずあるのかなと思います。
佐藤:ありがとうございます。これもまた相談を受けることが多いんですけど、事務職でもこの先将来を考えるとスキルを身につけたい、でも今から例えば看護師さんとかそういった資格を取るとかではなく、ITだったら資格じゃないけどスキルは磨ける、オンラインでも仕事ができる、そうなると生活が変わる、というところでITの相談を受けることが多いんですよ。
結構女性が多いんですけど。やっぱそういう方にとっていきなり開発っていうのは…
及川:多分難しいですね。
佐藤:多いのは「プログラミングできないといけないの?」っていう。
今、世の中プログラミングスクールとかいっぱいあるじゃないですか。
まず最初にスクールに入った方がいいとかありますか。
及川:やらないよりは絶対やった方がいいので、そういったスクールとかは行った方がいいとは思います。
ただ、必ずしもそれを本業にできるかどうかはまた別の話になってしまうので、知識としてはあった方がいいというレベルではあります。
なので、本人が本当に開発やりたいのであれば、スクールに通ってあとは正社員として働くという選択肢をとった方がいいですし、また違った選択肢もあるのであれば、スクールに通わずに、例えば資格をしっかり取る。
ITパスポートでもいいですし基本情報でもいいですし、何らかの知識を持った上でしっかりと業務をしていくという選択肢もありなのかなと思います。
佐藤:結局のところ、フリーランスって全部自己責任になりますね。
だからやはりマインドのところですよね。決して楽ではないじゃないですか。
自分でちゃんと勉強していくとか、将来のことを考えて必要なものをスキルアップのために自分の時間を使う。
最初の1、2、3年っていうのは修行が必要ですよねやっぱり。
及川:必要ですね。
佐藤:ありがとうございます。
あともう一点。
40代、50代ってぶっちゃけ案件ってあるんですか。
及川:そうですね…。
佐藤:これ聞いちゃっていいのかアレですけど。笑
及川:ないことはないですし、あります。
ただ人によりけりになるので、そこらへんのお話をさせていただくと、40代となると経験もスキルもかなり高くなってくるので、ニーズはやはり高いです。
ただ、50代になってくると案件数はかなり減少します。
その要因としていわれるのは、まずは業務委託として、フリーランスでお願いするっていう形になるので、どちらかというとチームに入ってもらうんですよね。
ですので、今プロジェクトマネージメントをしているお客様が30代、40代前半の方が多かったりするので、扱いづらいよねっていうのがまず1点あります。
2点目がスキルが偏っている、要はレガシーって言うとアレですけれど、ちょっと古いスキルを持っている方も多く、最新の技術を学んでいかないといけない。
あとお任せするんだったらやっぱ若い方がいいよねっていうところ。
スキルがある人と若手でガッツがある人、どちらをとりたいですかってなった時に、50代でもスキルがあるからなって話なった時に、金額が若手の子と同じであれば採用したい、一緒に働きたいみたいな形になるパターンも多いので、そうするとやっぱり案件数も減少して金額も下がってしまうっていう現象に陥ってしまうっていうところがありますね。
なので、50代に差し掛かる方はよりキャッチアップだったりとかをしていかないといけないですし、さらに専門性を求められてしまうのでそこは考えなければいけないと思いますね。