佐藤:はい。皆さん、こんにちは。Story'sチャンネルです。Story's代表の佐藤です。
本日もですね、前回に引き続き、ITフリーランス SAPをメインでやってこられた菊池さんをお招きして、今回はですね、SAPだったりITコンサルのリアルな体験談っていうところで、よりちょっとドロドロしたところとかもたくさん聞いていければなと思います。
では、本日もよろしくお願いします。
菊池:よろしくお願いします。
佐藤:はい。ちょっと改めてなんですけど、ここ元々会社の同期でして、当時のままの関係で、あのフランクに話させてもらいます。
菊池:はい。
佐藤:まずSAP業務っていうので、「どういうことをしてきたの」っていうところを、ちょっと簡単に視聴者の皆さんにお願いします。
SIer会社員SAPコンサルタントのリアルな業務経歴とは
菊池:はい。経歴としては、SAP歴もう入社から基本SAP以外の仕事をほぼしないでやってきたから、会社員10年間とその後フリーランス含めて13年目で一筋っていうことに一応経歴上はなります。
その中で細かい経歴で言うと、案件数は大体9個ぐらいの案件をやっています。
特徴としては、結構最初の見習い期間、1年目〜3年目ぐらいの時は、見習いとして、途中から入って途中で抜けるとかそういう部分もあったので、短い案件が多かったんだけど、4年目ぐらいになると、最初のプロジェクトの立ち上げの要件定義から入って、その後のあのカットオーバーまで、本稼働までいるっていうような感じで携わることが多かったので、1案件大体2年ぐらいいるっていうような、結構長期スパンで案件を渡ってきた、という感じです。
佐藤:モジュールってどこらへんだったっけ?MM?
菊池:モジュールは、MM(在庫管理)というところから最初入って、でも、やっぱりその在庫だけの仕事っていうのはもう全然なくて、 結構生産と結び付くところから、最初は仕事をやっていて、そのあとは出荷業務やって、その後は発注を受ける。
受注する部分もやってみたいな形で、在庫が核にはなってるんだけど、その周りを増やしていくような仕事をしてました。
佐藤:在庫があるところの、受け払いが発生する業務周辺も全部やったってことだね。基幹業務だね、それは。
なるほど。ごめん、ちょっと腰折っちゃった。
菊池:いえいえ、全然。この経歴の続きっていうところで言うと、最初はSAPコンサルっていう意味で、SAPの仕事ばっかりやっていくのかなっていう風に思っていたんだけど、 結構それは人によって、担当する案件によって変わってくる部分が多いかなと思います。
で、私の場合は結構SAPの案件でもあるんだけど、SAPを含めた色んなシステムの導入案件みたいのをやることが多かったです。
SAP含めた色々なシステムの導入案件
分かりやすい例とかで言うと、元々お客さんの工場の中に大きい工場があって、土地の片隅のとこに、まず工場の拡張スペースみたいな更地があります。
で、「そこにこれから工場を建てるので、システム導入やってください」っていうような案件があったりしました。
で、その時はもう工場建てるんで、ゼネコンがまず来ます。
で、工場の中には、自動倉庫っていう在庫とか製品とか管理する倉庫が入るんで、そこのメーカーさんがその倉庫の制御システムをやってるんだけど、そういう会社さんが来てます。
在庫管理として私の会社が入っていて、あとは生産するんで、生産管理のシステムの会社がいて。
そういう色んな会社が集まって、その工場として使えるようにしていくっていう、そんな現場もあって、合同の打ち合わせとか結構やりましたね。
SAP担当…なんだけど、だんだん領域が広がっていって…?
SAPコンサルっぽい仕事
で、まあ元々SAP担当だからっていうのでいくと在庫がどう動くのかとか、その辺を打ち合わせしていくんだけど、結構その途中からそこの垣根みたいのなのがなくなっていって。
で、例えば、その最初の打ち合わせとかだと、SAPの在庫を自動倉庫の棚から出してきて、生産現場に届きます、と。
それで、こうした時に「自動倉庫動くんで、いつ在庫落としますか?」みたいなのを決めていくんですよ。
そのポイントとして候補になるのが、
『自動倉庫を動かし始めた時』で、次はこの倉庫2階とか、何階の研究室とか、その生産現場っていうのがあるんだけど、そこの『部屋に着いた時』、で、そこの部屋に着いた後『、人が取った時』、取った後に、このパレットをこう戻しますってなったときにトリガーがあって、『そのボタンを押した時』、で、最後に『パレットが本当にシステム上戻ったって検出されたとき』みたいな。
「こういうポイントがあって、どこで在庫を動かしますか?」みたいな、 こういうことを打ち合わせしたりして。
これって、多分、SAPの在庫管理のコンサルっぽい仕事なんだと思うんだけど。
SAPコンサルの領域外の仕事
で、そっから外れていくっていうのは、例えば、『このパレットを戻る時に結構時間がかかってて、ユーザーが今”60秒かかるのを40秒に減らしたい”』って言ってるみたいな要件が上がった時、それでも私に言われても、私の範疇じゃないんですね。
それってもうメーカー側でやんないといけないことなんだけど、なんか(お客さんがメーカー側に)直接言う場があんまりないみたいな話があって。
で、こっちに話が来たりした時に、一旦「分かりました」って言って、引き取ってゼネコンさんからもらったこの建物の図面を見ながら、このどこをどう取って戻っていくのかを目で追って(笑)
で、複数のエリアで、あのパレットの渋滞が発生してるポイントとかがあったりして、「そこのクレーンの使い方をロジック変えられないか?」みたいなことをちょっと言ってみたりして、15秒パレットの搬送時間を短縮するとか。
なんかそんなことまで含めて、色々やってる案件でした。
佐藤:色々やってんだね、本当(笑)
菊池:だから、ちょっとSAPコンサルと言いつつも、領域としては、それ以外のシステム導入の部分もサポートするというのが、仕事のやり方として多かったですね。
佐藤:なるほどね。までも、やっぱこうやってさ、色んなところで、他システム含めてね。
菊池:はい。
ITコンサルタントのキャリアステップとは
佐藤:携わってきたと思うんだけどさ、基本的にSAPとかITコンサルタントの何々期とかさ、さっきは、見習い期みたいなこと言ってたじゃん。
そういう風に分けるとしたらどういうのがあるの?
菊池:そうだね。まずは見習い期っていうところは、やっぱ先輩の下について、既にあるプログラムのテストをやって、こうやって動くんだとか見ていったりとか。
あとコンサルタントとしての見習いだったら、「こういうことを決めていかないといけないんだ」とか、「お客さんとはこういうに接していくんだ」っていうのを、まあ、最初の2、3年ぐらいでキャッチアップするっていうのは見習い期かなと思います。
で、そのあとはやっぱり少しずつ自立して、1人で働けるようになっていくっていう部分で、まずは狭い部分の担当者としてやる。
さっきの例で言えば、在庫管理だけをやる、と。
佐藤:あ、だから、モジュールとかの。
菊池:1つのモジュールを、かつ、リーダーではなくて、他のメンバーがいる中で自分も担当するっていうのは次のステップ。
で、その次のステップはそこの1つのモジュール領域を任せてもらえる。
で、そっから後はより専門的にできるっていうことが分かってくると後輩をつけて、後輩のケアをしながら仕事していって、それがもう少し進んでいくと、1つの、そのモジュールの「在庫だけではなくて、出荷まで見てほしい」とか、そういう領域が増えていく。
で、それがどんどんまたキャリアップしていくと、プロジェクト全体のリーダーになって、その後はマネージャーとか、そういう形にステップアップしてくっていうのが一般的かなと思います。
佐藤:なるほどね。ちょっと勉強で教えてもらいたいんだけど。
大体さ、 入る会社によって、例えば、うちらが入った会社だったら「マネジメントが強い」だからさ、多分、”プロジェクトマネージャー”っていうさ、そういうキャリアプランが描けたよね?
だけど、他の会社に行った場合ってそこを描けなかったりするんでしょうか?
菊池:会社としてそのプロジェクトマネージャーの仕事がないっていう会社だったら、そこはやっぱり難しくなってくるかなとは思います。
佐藤:そうか。でも、それ(プロジェクトマネージャー)に至るまでの、SAPのコンサルタントとしてっていうとこはさ、さっきの見習い期のところでやるべくテスターとか、設計とかも含めて、あとは多分OJTとかで、各小単位の機能とかを知ってくとか、お客さんとの顧客折衝をどうするかとかさ、そういうところを学んでくって、多分ここは変わらないじゃん?きっと。
菊池:そうだね。
佐藤:で、その先のさ、例えば、「モジュールの主担当になってきますよ」みたいな、そういう世界ももしかして入る企業によってやっぱり学べたり学べなかったりってする?
菊池:うん。どのモジュールをその学べるかっていうのは、まあ、やっぱり大きく会社によって変わってくると思います。
佐藤:あ、そうなんだ。
菊池:特にSAPってERPで、まあ、元々はその会計システムとして使っていくっていうのが大きいところだから、その会計だけやってるみたいな会社は結構多いのかなと。
で、在庫とか生産とかになってくると、SAPやっていても、生産関連の部分はタッチしてないとか、そういう会社も結構多いかなと思います。
佐藤:なるほどね。じゃあさ、例えばキャリア描く時ってのはさ、結構より深く選びたいってなったら、結構そのモジュールがどれが強いのかっていうところを選んでいくっていうのが大事なの?やっぱ。
菊池:そうだね、、、でもそうだけども、やっぱり、そこの部分って結構その入った部署に依存するみたいな部分があるから、 ほんとに新卒からどっかの会社に入って、SAPやりますっていうキャリアパスでいうと、入社して部署が決まるタイミングでは、その自分の「会計領域で行きたい」とか、「ロジスティックス系の在庫管理で行きたい」とか、「出荷やりたい」とか、その辺まで固めてないと、ちょっと判断が難しいかな。
佐藤:なるほどね。
菊池:でも、大学で会計をやってたっていう繋がりで、会計に携わる相手の仕事をしたいっていうような人とかもたくさんいると思うので、そういう人だったら選びやすいのかなと思うんだけど、私とかはその前の動画で話したように電気科を卒業して、特にその業務的に今やってるSAPの会計とか、在庫とか出荷とか生産とか、どこにも紐づかないのかなって思っていて、そうなった場合、なんか特に決める、自分のこれだったら得意だろうとか、そういう判断基準は何もない状態でしたね。
佐藤:だよね。多分さ、これからね、聞かせてもらいたかった、『苦労したところ』とかにも、多分今のってちょっと付随するのかなと思ってて。
多分、最初さ、 参考になるものがあんまないじゃん?菊池がやってきた分野ってさ。
菊池:そうだね。ネットで調べて出てくるようなもんじゃないから。
佐藤:しかも、イメージもしづらいじゃん。多分業務が。最初分かった?
菊池:いや、もう最初の頃は本当にお客さんと話してくれっていうのはどちらかというと苦手、、、苦手意識みたいのはあったかなと思うね。
その、業務がやっぱり分かんないから、こっちも相手がどれぐらい理解できるかとか、その辺も分かんない状態で。
で、相手の業務も分かんないから、ヒアリングも上手くいかないし、その辺は難しかったところかなと思いますね。
佐藤:うん、やっぱそういうさ、相手の業務をお客様の業務を理解してくれってところも結局のところ、その見習い期間にどれだけ集中して仕事するかになっちゃうの?
菊池:そうだね。やっぱり”場数”で、1人のお客さんだけでずっと見てても、そこの会社のことしか分かんないから、色んな似たような会社を見ていくと、「こういう考え方をするユーザーさん、お客さんが多いのかな」とか分かってくると思うのね。
で、それが理解してくると、例えば別のお客さんに行った時に、「これ普通はどうやるの?」って、よく聞かれる質問で、これ結構怖いと思うんで、最初はこう経験ないから、普通はとか言われてもちょっと分かんない。
で、普通が分かんない中で、ベストが分かればいいんだけど、それも分かんないっていうのが若手だから、 ちょっとその苦手な質問とかでそういうのがあるかなと思います。
で、やっぱり経験を積んでくると、「普通はどうやるの?」って言われた時に、「こういう風にやることが多いですよ。」みたいな事例が自分の中で溜まってきて、ちゃんとその辺の回答ができるようになると、相手も信用してくれるし、やりやすくなってくるかなと思いますね。
SIer会社員時代に苦労した…過酷な労働環境
佐藤:なるほどね、 ありがとう。他にもさ、なんだろう。「いや〜、ここなんか困ったな」、「悩んだな」とかさ、「苦労したな」っていう点なんかさ、ちょっと、ピックアップするとしたら何かある?
菊池:いや、やっぱりそのなんだろうな。労働環境というか、勤務時間が長いとか、そういうのは結構今だったら、働き方改革がこの数年進んだと思うけど、そういうのがない時代に、あの若手をさ、過ごしてるじゃん?
佐藤:うん。13年前?
菊池:そうそう。やっぱり、最初はね、きつかったなっていうのはありますね。
いくらやっても終わんないし、この生活がいつまで続くのかも分からない。
佐藤:菊池、ずっと愚痴出てた印象がある。(笑)
菊池:いや、そんなことは…(笑)
佐藤:なんか、その印象すっごい強いんだよね。(笑)
菊池:やっぱりでもね、なんでそうやってそういう状況になっちゃうのかっていう話をすると、その真面目な話で言うと、計画がちゃんと上手く立てれてないっていうのが1番。
IT業界、前の会社が特有というよりはIT業界あるあるなのかなと思うけど。
そのプロジェクトが始まる時に、その営業段階で、例えば、「このぐらいのプロジェクトだったら、要件定義で4か月やって、そのあと半年ぐらい開発して、その後テストやって、トータル1年ちょいで、出来上がりますよ」っていうのをお客さんに言っちゃってて、その前提で進んでいって、いざ、じゃあ仕事始まって要件定義やりますって言ったら、もう全然話がまとまらなくて。
要件定義で最初はね、◯か月でやりますって言ってたのに、もうすでにオーバーしちゃって、でも、相手は予算はもう決められてるからっていうので、人も追加できない。
「予算が決められてて人が追加できないから、今いる人がたくさんやる」っていうのは、よくある流れですね。
そういうのが要件定義のフェーズでもあるし、設計とかフェーズでもあるし。
テストが長引くってなると今度はまた品質が悪いとか別の問題になってくるけど。
結局予算がなくて人が追加できなくて、今いるメンバーが頑張るっていうのが、結構続いていたかなとは思いますね。
佐藤:あの時さ、菊池たちの部署は結構若手の時にさ、みんな、うちらの代だけじゃなくてさ、結構みんなやめてったじゃん?
菊池:うん、まあ…。
佐藤:やっぱさ、側から見ててね、やっぱ相当辛いんだろうなとは見てたのよ。
稼働時間がさ…きつそうだなって思って見てたから、 やっぱみんなそういうところで、あ「もうきつい!」ってなっちゃったの?
菊池:そういうところで、私の印象としてはきついけど耐えてやってるっていう人が多いかなとは思いました。
途中で投げ出すっていうような人もあんまりいなかったかなと思って。
その働き方をずっと続けられるのかなとかそういうのを考えるきっかけにはなるのかなと思います。
例えば、20代前半の頃はそれでもいいけど、やっぱりあの家庭を持つと、それはできないねっていう判断をして、あの業界を変えてくるような人もいたし。
1つのきっかけになったかなと思いますね。
佐藤:逆にさ、菊池はなんで乗り切れたの?
菊池:いや、なんかね…、慣れちゃうみたいな(笑)
佐藤:恐ろしいなそれ(笑)
菊池:そういうのがあって、やっぱり最初やってる時って本当にもう絶望的。
いくらやっても終わんないし。
佐藤:終わんないし、要件も追加されるし?(笑)
菊池:自分の経験が浅くて、ミスもあるし。
例えば自分がミスすると自分のせいって多少は思っちゃう部分もあって
佐藤:そりゃあね…。
菊池:「やんなきゃ…!」みたいな状態で、でも、精神的には結構しんどいっていう感じだったんだけど、まあでも言うてもいつか終わる、と。(笑)
会社が何かしらこう対応してくれて終わったりとか、 自分がもうずっとこなすことによって終わるとか、いつか終わりが来る。
で、それを見ていって、またそういうのが何回もあると、結局『やれば終わる』と。笑
やればいつか終わるっていうのが分かってくると、「先が大きい意味で見えてるから、そんなにまあ絶望しなくてもいいかな」って考えられるようになって、そういう時期を頑張るとか、そういう気持ちの切り替えとかによって、こなしていくっていうのが私の場合はできたかなと思います。
佐藤:なるほどね。結構ここまでリアルな話っていうのはなかなか聞けないから、ありがとうね。
是非視聴者の皆様も、もっとこういったところを聞きたいっていうのがあれば、コメント欄とかに書いていただければ、それらも次の動画で対応いたしますので、よろしくお願いします。
で、本日はね、リアルな体験談ってとこで生々しいね。すげえ、ドロドロしたところもありがとう。
では、次はぜひじゃあこれからSAPコンサルタント、まあフリーランスとかね。
で、ITコンサルタントとして活躍するために、必要なスキルセットっていうところも聞かせてもらえたらなと思います。
じゃあ、皆さん本日の動画以上となります。
ぜひ、チャンネル登録、いいねもお願いします。では、次の動画でお会いしましょう。